2023/12/20
Q

最初の接着剤って何で出来ていた?

A

5000年以上前は「自然のもの」から作られていた!

みなさんが日常的に使用している接着剤。例えば身近なものとして、手紙に張る切手では、水で濡らすと粘着するようにのりがついています。一方では、車の燃費を向上するために構造用接着剤といってボディに使用できる強度の高い接着剤も登場しています。これらの便利な接着剤も生活様式によって様々な変化がありました。では最初の接着剤とはどんなものから作られていたのでしょうか?

古くは5000年以上前、エジプトのピラミッド時代から

接着剤は遠い昔から私たちの生活を支えていました。古くは5000年以上前、エジプトのピラミッド時代では既に使われていたことが分かっています。そのころには動物の皮や骨から作る接着剤、また植物から作るのりなど、「自然のものからつくられる接着剤」が使用されていました。

他にも自然から作られた接着剤があるのか、みてみましょう。

食べられる?自然からできた接着剤

現代においても「自然からできた」接着剤は、実はたくさんあります。

膠(にかわ)
動物の皮や骨などを煮出して作られ、壁画・絵画に使われる接合材料です。主成分はコラーゲンで、工業用としての活用がメインとされています。

蝋(ろう)
ろうそくの原料にもなる蝋は、天然のものから作られるものもあれば、石油から作られるものもあり、基本的に溶かして使う接着剤の原料です。

漆(うるし)
鏃(やじり)の接合や、仏像に金箔を貼り付けるために使用されていました。漆の木から分泌される樹液が主原料で、現代においては食器や楽器などの塗料としての用途が一般的です。

米糊(こめのり)
米や小麦粉に含まれるでんぷん質が粘着性を発現します。昔は障子や傘を貼るのに使用されていました。今でも手元に接着剤がないとき、炊飯器からご飯粒をちょっととって・・・なんてシーンがご家庭ではあるかもしれません。

漆喰(しっくい)
古くは石壁や墓石、瓦屋根の接着に使用されていました。主原料は消石灰で強アルカリ性の物質です。現代においても不燃性が注目され建築材料として注目されています。

「現代の接着剤」は何でできている?

自然からできた接着剤は現在も接着剤として活用されているものもあれば、別の用途としての使用が一般的になっているものもあることが分かりました。では現在身の回りにある接着剤とは何でできているのでしょうか?

それは「化学合成された樹脂」です。現在接着剤と呼ばれている製品のほとんどが化学合成品です。主成分はシリコーン・エポキシなど用途に合わせた特性を発揮するために作られています。

バイオマス原料の接着剤を使おう

スリーボンドで作られている接着剤は化学合成品ですが、現在はバイオマス原料を使用した接着剤の開発・販売も行っています。

一液性低温加熱速硬化型弾性接着剤であるThreeBond 1539シリーズでは、原料にバイオマス原料である「ひまし油」を使用しています。ひまし油は、トウゴマという植物の種子を絞って採取される植物油で、近年には化粧品にも使用されています。

バイオマス原料は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、植林・森林による吸収量を差し引いて実質ゼロにするという「カーボンニュートラル」の観点からも注目されています。接着剤のみならず、バイオマス原料を使用したプラスチック製品も登場しています。バイオマスプラスチックについては別の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧下さい。

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